前回は、人吉の「のどか」を探しに街の中心部に出かけました。そこでは通りのあちらこちらにお雛様が飾ってあり、そこを歩くだけでこころ和ませるのどかな風景に出会いました。

　そこで今回は、郊外に出かけてみることにしました。人吉は今、まさにサクラ色の季節。ここではあちらこちらに桜の木がある風景に出会いました。その満開の桜をたどっていくと、ぽつんと一本だけで空に向かって大きく羽を広げた様に咲く桜。こじんまりと枝を伸ばし、川沿いに密集して咲く桜。行く先々で個性豊かな桜に出会うことができました。

　桜に見とれて歩いているうちに人吉の西の端にあるお寺にたどり着きました。そこにも盛大に咲き誇る桜の木々。おまけに桜たちの花びらが吹雪の様に舞っています。そこで、その桜の木の下でお弁当を広げることにしました。腰を下ろすと、吹く風に桜の花びらがころころと道をころがり、それに負けじと数羽の蝶が楽しげに飛んでいるのが見えます。さらに私の目の前では、桜の蜜を求めているのか数匹の蜂がホバーリングを始めました。

そんな満開の桜の下で、お弁当をほおばるその風景は、まさに「のどか」。

そう、人吉は、ただただのどかです。