2024.07.19
地域
球磨弁(人吉球磨の方言)って難しい
投稿者|地域おこし協力隊 坂元

こんにちは! 地域おこし協力隊の坂元です。
人吉市でもようやく梅雨明けが発表され、盆地特有の蒸し暑さが厳しさを増しています。熱中症には気を付けたいものです。
さて、今日のテーマは「球磨弁」です。
球磨弁とは人吉球磨地域の方言です。特にご年配の方のほうがより強く出ていますが、こちらの方々はだいたいみなさん無意識的にしゃべっていらっしゃる言葉ですね。
人吉は熊本県で南部に位置し、鹿児島との県境にあります。なので、鹿児島の方言に近いのではないかと思われる方もいるかもしれません。
しかし、元鹿児島県民の私が断言します。球磨弁は、鹿児島弁とは全くの別物です。
それでは一体何が違うのかというと、根本的な語彙や文法です。球磨弁のこれらは熊本弁や博多弁のような、北部九州の方言と同じです。
たとえば、球磨弁では「~ばい」や「~たい」といった語尾がよくつかわれますが、鹿児島弁では基本的にこのような語尾は使いません。
また、イントネーションも全く違います。鹿児島弁は語尾の音が上がることが特徴の言葉なんですが、球磨弁にはそれが見られません。発音もやはり、熊本弁や博多弁と近いものです。
さて、ここまで鹿児島弁と球磨弁について語ってきましたが、そうは言っても私も九州出身なので大体のことは聞き取れます。日常会話をするにはそんなに問題がないレベルです。
ここからは、そんな私でも意味が解らなかった言葉をご紹介していきます。
今回取り上げるのは「なんさま」です。何様(なにさま)ではありませんよ。
人吉球磨の人とお話ししているとよく出てくる言葉である「なんさま」。意味は「とにかく」「なんといっても」のような意味だそうです。現代語だと「なにせ」や「なんにせよ」といった言葉と同じですね。
これを書いていてそういえば現代で「なにせ」という言葉を使わなくなっていることに気づきました。本などではよく出てくるんですが、口語ではほとんど使いませんね。だからこそ、こうやって方言として残っている「なんさま」が「なにせ」に結びつかず違和感を抱いたのかもしれません。
主な用例は「なんさま、やっみらんならしょんなかろ(とにかく、やってみなければ仕方がないでしょう)」という感じでしょうか。なんさま、感じ取ってみてください。
方言は移住をした後で必ず付き合っていかないといけないものです。私は比較的九州方言に慣れ親しんでいたのでまだ聞き取れる部分は多いですが、そうでない方はかなり大変だと思います。
球磨弁を勉強してみるのもいいかもしれませんね。